ムーンライト信州に乗り穂高駅へ。中房乗合バスへの乗り換え時間が少ないので可愛い穂高駅をゆっくり眺められず、残念。おにぎり４つを無理やり胃に収める。日曜日ですが日帰り登山客もいて賑わい。既に水500ミリリットル無くなっていたので、中房で補充。やや乗り物酔いしたが元気に出発。
途中までこれといって特徴のない低山風の山道。第一ベンチまでに暑くてヒイヒイ。
テン場の場所取りが気になりましたが、腹をくくってのんびりと。バードコールで鳥を呼んだり富士見ベンチで富士を見たりマイペースに進む。既に葉先が紅葉している木もチラホラ。
一人ではスイカを食べる気が起きず、合戦小屋で水とドライフルーツで小休止。出発直後に後悔、やっぱり食べれば良かった！
●合戦小屋の由来
桓武天皇の御代に、中房をすみかにした「魏石鬼」という鬼がいて、八面大王と称して妖術を使い暴れ回っていた。そこで初代征夷大将軍の坂上田村麻呂が退治しにやってきたが手強く、観音堂に願かけをしたところ、『三十三節の山鳥の尾で作った矢を使え』とのお告げがあった。そして甲子の年、甲子の月、甲子の刻に生まれた矢村の矢助という男が尾を献上し、その矢をもって退治することができた。
鬼の五体はバラバラに埋められ、耳塚、首塚、立足等、地名として今に残る。
この矢を献上した矢村の矢助にも物語があって、幼い頃魏石鬼に父を殺されるが、母の教えで一切の殺生をせず成人する。ある日罠にかかった山鳥を救うと、その山鳥は女の姿になり矢助に嫁ぎ、三年後、坂上田村麻呂のお告げを聞いて、その嫁は自らの尾をもって矢を作る。
その翌日、嫁は『我、三年前に助けられし山鳥。高恩に報いるべく、かしづくも、もはやその要もなし。三十三節の尾羽は我の尾なり』と手紙を書き置き、姿を消してしまったそうな。殺生の因果を感じる昔話だ。
●燕岳
合戦小屋辺りから草木が低くなり、高山植物も増えてくる。岩場も多くなり楽しい。
「三大急登」の辛さはそれほどでもなく、燕山荘がチラチラと見えてきたら、もう一時間もかからない。
年配男性に「テン泊凄いね～」と褒められちょっといい気になる。道すがらブルーベリーを摘んでいる人を発見。外来種だからいいのだろうか？
燕山荘は山荘の雰囲気じゃない！ホテルといっても過言じゃないほど立派。
洗面所とトイレがきれいだが、テント泊用のトイレは臭い＆紙がないので注意。
テントを張り食事。熱中症とバテで、リュックの臭みを取るためにカレーメシを食べたかったが、シーフードヌードル＆ピラフへ変更。
荷物をデポり、いざ燕岳頂上へ！ここから白い岩肌をさらけ出した柔肌を思わせる景観が続く。
八ヶ岳より小ぶりに思えるコマクサはちょっと元気がない。
黒曜石？混じりの白い岩が雲母のようにキラキラと輝く。有名なイルカ岩、メガネ岩もすぐ見つかったし、山頂からは槍ヶ岳、白馬連峰も望め、ずっと眺めていたいほど晴れ晴れ。ホシガラスや燕、イワヒバリなど鳥を観察したり、時間の流れるに任せのんびりと歩く。
山荘に戻ってご褒美のコーラを購入。そしてなぜかこのタイミングで頭痛、またしても高山病に…。
夜はメマトイが現れてまとわりついて大変だったが、八ヶ岳のように虻が多くなくて良かった！
水を補充し、夕食はスパゲティにトマトピューレにツナを混ぜたソースをかけましたが、それほど食べられず残してしまった。夜空は意外と白んでいて、星空があまりきれいに見えなかった。
燕山荘からいざ燕山頂へ
↑メガネ岩…個人的にはジャバ・ザ・ハットに見えます(笑)