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2018年8月▲夏の八ヶ岳はアブ地獄 [八ヶ岳(長野)]

■一日目

【行程】
10:30 美濃戸口
11:30 美濃戸山荘
14:20 行者小屋
【行者小屋】
・厠…小屋の中のトイレは程々清潔です。ただ、バケツがすぐにいっぱいになってしまうようで、紙が溢れてました。
・水…水は豊富でジャバジャバ出ます。蛇口と洗面台の設備が外にあり。もちろん食べ残し・とぎ汁の垂れ流しはNG。
十年ぶりほどの八ヶ岳。以前と同じように美濃戸口から美濃戸分岐で南コースへ。
美濃戸口から南沢を経て行者小屋まで、今回は忘れがたし地獄のロード。
なぜかというと猛暑に加え大量のアブ、アブ、アブ!噂には聞いていたが、今年は特に酷いらしい。
美濃戸山荘まで車も行き交う林道、アブは熱と二酸化炭素を感知してくるので、ボンネットや排気付近にたむろしているアブが目的を変えて私たちを襲ってくる。
あまりにひどいので蚊帳ネットを頭からかぶるが、そのネットも黒いので顔に寄ってくる。もちろん網が防御になるが、 何度もアブと目が合って気持ちが悪い(笑)
美濃戸の分岐を越え、ようやっと苔むした森に入るとアブは減少しほっと一息。しかし猛暑のなかタオルを振り回しつつ歩いてきたので、 林道を越えるまで2時間半もかかってしまった。こんなに長かったっけ…?雲取山の苦行を思い出しました。
水を2リットル半背負ってきたのに、途中沢の水を汲んで浄水して飲まなければならないほど、減っていた。
行者小屋についたときは14:30、もういい時間になってしまいどこもアタックできないので(田中陽希さんだったら行けるだろうけど)、 テントを張ってこの日はストップ。
ついでに高山病の症状が出て頭痛。
涼しくなったら復活して、「八ヶ岳高原アイス」を食べながら目の前に広がる山容を眺めつつ、のんびり。そうこうするうちに雷の音が!雨が降り始めたので、 そうそうにテントに退散。阿弥陀に登らなくてよかった~と言いながら小屋に戻ってくる人がいました。
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■二日目
【行程】
07:00 行者小屋出発
08:21 赤岳展望荘
09:15 赤岳頂上小屋
10:50 中岳
12:00 阿弥陀岳(途中断念)
14:00 行者小屋
行者小屋から八ヶ岳の主稜線(地蔵の頭)までは、標高差約350mの急登。10年前は悪天候のため、地蔵尾根のはしごの取り付きでやめたのでした。それを機に、登山からすっかり足が遠のいて…。
針葉樹林帯の細いザレた道は、ひっそりした雰囲気があって好み。昔は無かった気がするが、金網で盛り土をした階段、これは靴底に引っかかるので好みではない。ただ、雨で斜面がなれたときに滑りにくいので、 歩きややすいと言えば歩きやすいのかな。
ダケカンバの林を抜けた辺りで森林限界を超えて、景色がよくなります。この辺りから斜めに切られた細い道や、鉄階段や、急こう配に設置された鎖場が現れ、高度感はそれほどないですが、 迂闊に振り返ったり空を見上げたりすると滑りそうなので慎重に歩きます。
尾根に出るとすぐにお地蔵様がお出迎え。 この辺りから大きく展望が開け爽快! しかし尾根は太陽が当たるため、再び活発に飛び回る虻に追われます。これさえ無ければなぁ…。
見事な景観を眺めながら岩尾根や岩溝を歩きます。へばりつくように咲くイワギキョウやコマクサが、丁度小さなコブを登り切ったところで目の前に現れ、 疲れを癒やしてくれます。
赤岳展望荘から赤岳へ、ジグザグにザレた山道を登る。ここから急に突風が吹くこともあり、広い尾根道ですが体が崖側に吸い寄せられる感覚に陥ることがありました。不思議なのですが、何故かこういう一方に開けたゲレンデのような道に恐怖感を持つことがあり、地蔵尾根ルートの鎖場よりもドキドキしました。
頂上はすこぶる晴天!それもつかのま、眼下に雲がもくもくと立ちこめ、 あっという間に富士山が半分隠れてしまいました。
虻に囲まれながら珈琲休憩をし、山頂を後にしました。 しかし社が二つあり、向かって右は古い社でしたが、左はやたら金ピカな社。気になって下山後調べたら、右の方が由緒ある「赤嶽神社」でした。開山祭もこちらで行われます。

●怪しい山頂の社
しかし左の社、謎の存在です。「弥栄神社(いやさか、やえい)」というのは聞いたことがあっても、万世太平弥栄神社というのは聞いたことがないですね。小海町の松原湖周辺にも社があるようです。しかしここの祭神「実国固遠都御祖大神」も聞いたことがないです。何かにつけ●●神社を作ってしまう日本人。これも後世に作られた新しい神なのでは。
●中岳~阿弥陀岳へ
中岳までは再び急な下り、ぐらつく鎖場もあります。文三郎尾根との分岐を示す標識は、立派な割にさわるとぐらつくので、体重をかけない方がいい。
阿弥陀へ向かう中岳の開けた鞍部でほっと一息。直射日光が射さなければ、ここで昼食にしてもいいと思うくらい広い。阿弥陀は聞きしに勝る傾斜、もうちょっとで頂上というときに、私にはどうしても上れない場所があり、 暑さでへばってしまい、断念。
砂地でボロボロ落ちて足がかりがなく、私の身長がもう少し高ければ、片足を無理矢理上部の岩にかけて、腕だけで体を引き上げられる可能性はありましたが…。
そのまま行者小屋へ戻り、この日の行程は終了。
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地蔵尾根から赤岳へ向かう
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マムート階段

■三日目
【行程】
09:00 行者小屋出発
09:27 中山展望台
09:50 赤岳鉱泉を通過
11:30~11:56 硫黄岳登頂、休憩
13:00 赤岳鉱泉を通過
14:25 美濃戸山荘15:11 美濃戸登山口
・朝食…スパゲティミートソース
本当は横岳へ向かう予定でしたが、足のトラブルがあり今日下山することに。虻に刺されテント撤収も捗らず、支度が遅くなってしまいました。もう今日のバスに間に合わせるには、どの山頂も登攀できないかなぁ…と思っていましたが、硫黄岳ピストンならできそう、と予定変更。
硫黄岳コースは「普通の」登山ルート。たとえるなら、道幅の狭い「筑波山」並み。
ジョウゴ沢を渡りダケカンバの樹林帯は、人一人すれ違える程度の道幅が続きます。「赤岩の頭」までくると視界が一気に開け、背後に赤岳が全容をあらわし、疲れた体も心も一気に晴れ晴れ。ザレた登山道の赤と白の対比が眩しい。ここが火山なのだと思い起こさせる。赤岳からの眺望とは全く違う風景に驚きます。
山頂直下に巨岩があり、庇のようになっているので頭上に注意。少し巻くように岩石群を登るとそこは広々とした山頂。爆裂火口は圧巻、噴火した様子が生々しく伝わる。
しかし、立ち入り禁止のロープギリギリでも、直下の火口はのぞき見ることは出来ない。悄然としていたら他の登山客が「手を伸ばせば何とか写真に収まる」と教えてくれたので、何となくあたりをつけると火口の片鱗を映すことができました。
ちなみに山行中、熱中症で倒れた方がいたようです。山頂では風が時折吹き清涼感を与えてくれましたが、照りつく日差しが勝り汗はひっこみませんでした。本当に、今年の夏は酷暑ですね。
それにしても、硫黄岳から赤岳までの稜線歩きはやむなく断念しましたが、硫黄岳のピストンだけでもやる価値はありました。
下りは北沢コース。こちらの方が沢沿いで清涼感たっぷり。苔むした南沢ルートもいいですが、水の音を聞きながらもいいですね。とにかく暑いことが苦行でしたが、そのつらさも快晴の稜線の魅力の前では吹き飛びます。ちなみに虻よけのハッカ水は、この山行でほぼ無くなりました(笑)。

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中山展望台
2018八ヶ岳07.jpg
爆裂火口
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広い山頂
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帰りは甲府の「小作」。夏の冷たいほうとう「おざら」

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