SSブログ
山岳映画・アート ブログトップ

セルカン・ギュネシュ写真展「WITHIN」/石川直樹:ASCENT OF 14 ー14座へ [山岳映画・アート]

■セルカン・ギュネシュ写真展「WITHIN」@六本木・富士フイルムスクエア

スウェーデン、ラップランド地方の美しい風景を撮るセルガン・ギュネシュさん。
六本木で開催されている、他の展覧会にあわせて観に行きました。
どこか日本のアルプスの厳冬期をも想起させる風景、鷲羽岳へ向かうパノラマルートの途中の、鏡池にも似た風景に、未踏の地にも関わらず、懐かしさすら覚えました。
隣のギャラリーでも日本の風景の合同発表会があり、美しい風景に癒されて。
無料なので行かない手はない。富士フイルムによる高解像、圧巻の存在感がそこにはあります。
P_20240204_174710_copy_800x600.jpgP_20240204_175416_copy_800x600.jpgP_20240204_175151_copy_800x600.jpgP_20240204_174851_copy_800x600.jpg
■「石川直樹:ASCENT OF 14 ー14座へ」@日比谷図書館

https://www.library.chiyoda.tokyo.jp/information/20231120-hibiyaexhibition_ascentof14/

写真家・石川直樹さんの展覧会へ。
8000メートル峰14座の写真と、初登頂を果たした過去の先人たちの著書が展示され、その文章の一部がパネルで紹介されていました。この一文を読むだけでも、登山とは何たるか…という精神性、アルピニズムに触れられると思う。石川直樹はあくまでも「写真家」であり、ピークハントは彼の目指すところではない。
ゆえに周囲の様子、路上で大らかに寝てしまう現地の子供、ヤク、料理の写真など現地を感じられるものが切り取られている。
彼は本がきっかけで、冒険家を目指したとのこと。日比谷図書館らしい企画展でした。
ちなみに東西2000キロを超えるヒマラヤ山脈の地図の縮尺記号の単位が100キロ!
長大な地球の尾根を感じます。
P_20240202_184115_copy_600x800.jpgP_20240202_185032_copy_600x450.jpgP_20240202_185200_copy_600x450.jpg

タグ:自然 風景 雪山
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:アート

ヒルは木から落ちてこない。ぼくらのヤマビル研究記 [山岳映画・アート]

ヒルは木から落ちてこない。 ぼくらのヤマビル研究記

ヒルは木から落ちてこない。 ぼくらのヤマビル研究記

  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 2021/08/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

■当たり前は必ずしも真実じゃない

疑問に思うことが真実に近づく。そんな当たり前のことを、改めて教えてくれた子供たち。
固定概念にがちがちになった大人の頭をガツンと殴ってくれました。

ヒルの広がりを、鹿だけに求めるのも間違い。ひづめにくっつき、範囲を広げてる可能性はある。

だが鹿やイノシシの体は皮膚が堅いので、ヒルはつくことができない。

 

・ヒルは2分で腰まで登ってくる。木に登って落ちるという非効率な生存戦略をとる必要はない。

・ヒルは250グラムほどの石を持ち上げられる。

・ヒルは魚に食い破られないので、ミミズや虫より何度も利用することができエコな餌になる。

・普段は水たまりなどに生息していて、雨が降るとあふれた雨水と共に登山道や道に流れていき、範囲を広げている。

などなど色々と実証実験も踏まえた結果だけではなく、ではなぜヒルが木から落ちくるという勘違いが生まれたのか、という考察まで展開したのはさすが。
ミノムシをヒルと描写した『高野聖』の描写が原因との考察も。


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

星野道夫「悠久の時を旅する」展 [山岳映画・アート]

●東京都写真美術展@恵比寿ガーデンプレイス

https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4311.html

新版 星野道夫 悠久の時を旅する

新版 星野道夫 悠久の時を旅する

  • 作者: 道夫, 星野
  • 出版社/メーカー: クレヴィス
  • 発売日: 2020/10/10
  • メディア: 大型本
旅をする木 (文春文庫)

旅をする木 (文春文庫)

  • 作者: 星野 道夫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2022/03/04
  • メディア: Kindle版
アラスカ 永遠なる生命(小学館文庫) (小学館文庫 G ほ- 1-2 VISUAL SERIES)

アラスカ 永遠なる生命(小学館文庫) (小学館文庫 G ほ- 1-2 VISUAL SERIES)

  • 作者: 星野 道夫
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2003/05/09
  • メディア: 文庫


2023-01-15T04:08:01.jpg2023-01-15T04:08:01.jpg

「50年、100年もっと早く生まれていたら」という、自分ではどうしようもないことへの失望、見ることの叶わぬすぎさりし時代の自然への羨望、憧憬。
人間より動物が多かった時代。人間が動物に取り囲まれていた時代。
道夫さんがカリブーの大群を前にして「間に合った気がする」、という言葉に凄く共感した。

人は不思議なもので、自然をねじ伏せてきたくせに、大いなる力や神秘さをまだまだ感じていたいし、大きな自然の力に翻弄されたい気持ちもまだあるんだなぁ。
生きながら食われることのない動物は、人間だけなのではないだろうか。
昔は大神やクマなどの動物の営みは人間に近くて、にも関わらず、人と距離感は適切だったんじゃないだろうか。そういった役割が里山で、そういった存在が自然への畏怖を生み、命の尊さと実感が湧いたんじゃないだろうか。
少しぐらい危険を感じたほうが、人間社会の小さなしがらみなんかきっと吹き飛んで命が輝くんじゃないか。
他人の手を借りずに生きる数々の動物の力強い写真を見て、人間はなんて不便で不器用な存在なんだろうとも感じた。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:アート

人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版 [山岳映画・アート]

yamanoiyasushi.jpg

新年、憑き物が落ちたような、さっぱりとした気持ちになりました。
まるで澄んだ青空の下、なにもかもから解放されたような。

死がせめぎ合うときの命の手触り。
「あんなに孤独感のある、スポーツは他にあるのか」
「あんな達成感は他のことで得られるのか」
自問自答しているような、二つの相反した言葉が、登山そのものを物語っていると思った。

安全な登山なんてないと言ったのはラインホルト・メスナーだったか。
危険で難しい課題だからこそ挑戦したくなるのだから、当たり前ですよね。
よく登山家や冒険家を命を粗末にしていると批判する人がいるが、それは命を粗末にしてるんじゃなくて、彼らにとっては生きていることを輝かせてくれること。

なかば自給自足の生活。登山家は第一線から退くと、大地に根を張るような生活に戻っていく人が多い気がする。自己責任でなるべく自力で生きようとする。こんなに他の生命ともども、命を慈しんでいる人たちっていないんじゃないだろうか。そして、人工的に作られた娯楽じゃなく、人に与えられた娯楽じゃなく、地球すべてが遊び場で自分で見つけにいく。

この単純明快でかつ力強い生き方がほんとに、いい!!
柔道、茶道、剣道などと同じ、どう生きるかという哲学を含めた道(どう)をあてがって、まさに登山「道」と評したい。

私の「好き」は、彼らの好きの足下にも及ばないように思う。満足するレベルが低いのだ。
彼らのような挑戦者がいるからこそ、人間の限界を知ることができる。そのことに純粋に尊敬してしまうし、自分では見ることのできない景色を見せてくれることが、単純にありがたい。
しかし人間というものは他の動物に比べて、肉体的には本当に不器用な生き物だなぁ…としみじみ思う。

白夜の大岩壁に挑む~クライマー 山野井夫妻~ [DVD]

白夜の大岩壁に挑む~クライマー 山野井夫妻~ [DVD]

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2008/05/23
  • メディア: DVD

夜は、妙義山の目と鼻の先、碓氷峠の「峠の釜めし」で有名な荻野やさんで乾杯。
まさか有楽町で山に関係する店に入ることができるとは。
2023-01-14T00:34:41.jpg
2023-01-14T00:34:41.jpg

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画
山岳映画・アート ブログトップ