どうしてもテント片付けが遅い。大下りはせっかく登った昨日の努力は何だったのかと悲しくなるが、稜線歩きの景観は見事としか言いようがない。
燕から大天井までのピストン組や、槍ヶ岳からの縦走組と行き交うことが多く、燕からの仲間はほぼいない。おそらく、出立が遅かったのが原因か。
青空を背にした這松帯や巨岩群に吸い込まれるように抜ける。まるで天に歩を進めているかのような気持ちよさ。登山道に何度も現れるイワヒバリ、ホシガラスや燕が飛行するのを眺めながら進む。焼岳からか?硫化水素の香りが茫洋とした空に漂う。雲が影を落とす山容を眺め晴れ晴れと眺める。
ちょっぴり怖い梯子を降り、小林喜作レリーフを過ぎるといよいよ大天井岳への登り!
がれた岩肌が露出して、富士山を想起させる坂道が続きます。
その途中で念願の雷鳥に出会う!!疲れも吹っ飛ぶ。泰然自若とした様子、人間を怖がらないというのは本当なだった。近くに行っても逃げません。クゥクゥと喉を低く鳴らし、鳩より一回り大きいくらい。
大天荘は大きくて清潔そうで、また、ご飯も美味しそう。取り敢えず荷物をデポり、大天井岳山頂へ。岩場を跳んでいくように登る。山頂には祠があり、五分ほど眺望を楽しみそそくさと大天荘へ戻る。昼食は西岳に行く行かないに関わらず、急いでリフィルのカップヌードルを食す。
大天荘でテントにするか迷ったが、明日槍ヶ岳山頂アタックすることを考え、西岳まで行くことに。ここから先、見事に誰にも会わず(笑)。本当に夏休みだろうか?
大天井ヒュッテまでは同じ大天井岳にあるとは言い難いほど距離を感じた。道に迷ったかと思うほど。無事到着したヒュッテで五分休憩。そこを過ぎた辺りで雲行きが怪しくなり小雨に。
たくさんの赤トンボや高山植物を愛でつつ、小雨も気持ちよいとたかをくくっていたら、気がつくと自分の汗で全身じっとり。レインウエアのなかが蒸れてしまった。
ビックリ平ではガスが出て槍様が見えず、赤岩を巻いた道あたりで疲労が激しくなる。
しかし霧中の山道、幻想的な雰囲気もなかなか良い。
西岳まであと一時間というところで、またしても雷鳥の親子に遭遇!
雛四羽、母親が登山道の真ん中で餌をついばんでいて、なかなか追い越せない。
追い越せないまま5分くらい停滞、雛が慌てて降りていくので小さな落石が起きた(笑)ごめんね、ごめんね、と言いながら名残惜しくも別れを告げる。
ヒュッテ西岳に着きテントを張ったときは日も落ちてしまい、低体温症になりそうなほど体が冷えてしまった。膝丈パンツにタイツ、靴下も濡れていたのだがヒュッテ西岳には土間がないので中で乾かせない。テント内で脱いで暫く裸で乾布摩擦してました。
体を温めるため「どん兵衛」にしたが、疲れて二日目夜も食欲不振。スープを飲みきれず前室に放置し、この日は就寝。
朝焼けが美しい
このゴリラ岩が為右衛門吊り岩なのだろうか?
蛙岩。もう少し斜めからだと蛙に見えた
大天荘
大天荘のテント場
ビックリ平では槍様見れず!
東鎌尾根の喜作新道
ヒュッテ西岳