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2021年12月/熊野古道②中辺地・熊野速玉神社~那智大社~熊野大社 [熊野古道(三重・和歌山)]

熊野速玉大社

熊野三山の一つ、熊野速玉大社へ。 さっぱりと清々しい空気のなか、日本一の巨樹といわれる梛(なぎ)の巨木が印象に残りました。 旅人はこの梛の葉をお守りとして旅したそうです。宝物館が開館していなかったのが残念ですがそもそも閲覧する時間もなかったかもしれません。 hayatama02.jpg 速玉01.jpg

■補陀落山寺

バスで那智駅まで移動し、まずは補堕落山寺へ。乱世の時代に平和祈願のため、高僧が即身成仏として小舟に乗り、冥土と考えられていた海へ出航したという。その「渡海船」が復元され展示されていました。当たり前ですが、本物は出航しているわけですから現存しないのですね。小舟には戸が打ち付けられ、中から開けられないようにしていたという。実際、恐怖で脱出した人がいなかったのかどうか…そんなことを邪推してしまいますが、非難しているわけではなく、それほど常人には信じられない行いだと思います。

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■尼将軍の墓

那智大社まではバスに乗らずに古道を歩きます。車がビュンビュン走る大通りの舗道が続きますが、峠を越え山間部の集落地へ差し掛かるころ、途中で「尼将軍の墓」という標識が出てきます。この尼将軍とは源頼朝の妻、北条政子のこと。
源頼朝と妻の政子は熊野信仰が厚く、古道に三十三観音を奉ったり、大門の両脇の杉や神倉神社の石段も奉納したそうです。尼将軍の墓とは実際に彼女が埋葬された場所ではなく、いわば供養塔です。

少し遠回りに感じるかもしれないけど、古道の一部なのでスルーせずに行った方がいい。なぜなら初めて「古道」を感じる路だと思ったから。家の裏山という風情の入り口にわくわくしました。
あまり歩かれていない様子の、少し荒れた短い林を抜けると綺麗な墓所に出ます。すぐに集落にでますが、その道はまっすぐに山に向かって道が伸びているので迷うことはありません。景観と氾濫の対策で大規模な河川の工事が行われていました。舗装路のところどころには参詣者のためのトイレと休憩所が設けられており重宝します。
また、道の左右に熊野の神々の子の化身を祀る「王子」がありました。

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■那智大社・那智飛瀧神社・青岸渡寺


憧れの那智大社。パンフレットなどに使われる「大門坂」の夫婦杉は見事。
ここで、地元の歴史に詳しい方に話しかけられました。大門坂手前にはあの南方熊楠が逗留したという旅館跡があり、ここで粘菌などの研究に没頭したそうです。
熊野では明治の神仏分離令でたくさんの宿坊が潰れ、頼朝が安置した観音像も危うかったとか。
神仏習合という特異な文化がの名残と歴史が、危うく破壊されるところでした。
大門坂を抜けるとお土産屋と駐車場の通りに出ます。石階段を上ると左手に那智大社、右手に青岸渡寺。
同じ敷地に厳かな寺と清涼感のある神社、全く雰囲気が違います。

補陀落山寺の僧侶の一人が青岸渡寺に移動されていました。私たちが歩いている間に車で移動したそうです(笑)。
那智の瀧をご神体として扱う「飛瀧神社」にはうっすら短い虹がかかり、昨日までは少なかったという水が豊富に流れていました。ちなみに那智大社から瀧までは同じ敷地と呼ぶにはまあまあの距離があるし、標高差もある。

気になったのは繁忙期ではないからといって閉まっている店が多かったこと。営業している飲食店は外のテーブルで食べる設えのところが多く、寒風の中落ち着いて食べられる雰囲気ではない。遠路はるばる訪れる観光客も多いのだから、HPでは営業と書いておきながら実際営業しないなど、やめてもらいたい。調べてきたのが時間の無駄になる。

今回は古道歩きでトレッキング仕様できたため歩き続ける方が暖かいと思い、腹をすかせたまま休まずに古道に入る。
那智高原で一休みしてから大雲取越へ出発。いよいよ古道歩きだと胸躍る。石畳はなく勾配も緩い山道。
舟見茶屋跡からは海が臨めました。地蔵茶屋跡まで林道に入ったり出たりします。
夜は無人の休息所で休みます。自分たちで担いできた名物「詣で餅」やミカンなどを楽しみました。 大門坂.jpg
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