2019年8月▲北アルプス裏銀座テント泊縦走⑤日目 [北アルプス(長野・富山)]
2019年8月▲北アルプス裏銀座テント泊縦走④日目 [北アルプス(長野・富山)]
■雨で下山できず、人生初のビバーク
【行程】薬師峠から黒部五郎岳へ
09:30 太郎平小屋で情報収集後出発
11:30 北の俣岳登頂
14:00 低体温症気味のため野営
雨でテントが浮く。急いで畳み小屋に立ち寄ると、なんと折立まで来る予定のバスが雨量が多いために通行規制がかかり来られないという。
しかし天気予報が昨日とうって変わり、明日なら晴れるかもしれないから一日ここで待機すれば大丈夫ではないかと言われる。相方と相談、しばし逡巡。畳んだテントを太郎平に広げるより、こうなったら黒部五郎まで行ってやろうという冒険心がむくむとわき起こる。
黒部五郎…この長い長い行程を侮っていたわけではないが、この日も斜面にたたきつけられるような強風が体力を奪う。登山道が川や地糖と化している箇所があまりに多く、登山というより徒渉であった。
午後早々に雨がやみ、時間的にピークまで行けないとふんだ私たちはビバークすることに。
快晴とまではいかないが夕焼けに照らされた黒部五郎を見つつ、冷えた体を早々に暖め、テントもある程度乾かせて良い判断だった。なぜなら夕方から強風が吹き荒れ、あのまま進んだらおそらく強風のなか黒部の核心部につき、ピークはまだ無風状態だったとしても一時的に過ぎず、強風のなかカールを下ることになっただろうと思うからだ(後でおよそ風速20mと知る)。
テントを張った後、誰も通らずやや心細い気もしたが、このときここに人間がいるということを知っている人は誰もいないのだな、と不思議な開放感があった。周囲の自然に溶け込んだ野生動物のように、不思議と怖さは無かった。沢登りの人はしょっちゅう野営しているのだから、なんら特別なことでは無いのだが。
夜中も強風は止むことがなかったが、ベグが抜けることもポールが折れることもなく、無事だったことに感謝したい。
水場がないのは困ったが、水不足を助けてくれたのはなんと500mlの缶ビール!昨日太郎平で買ったものの、寒くて飲まなかった缶が残っていたのだ。相方と祝杯をあげる。一夜の喉を潤すには十分な量だった。
※もちろんゴミや尿は持ち帰りました。
2019年8月▲北アルプス裏銀座テント泊縦走③水晶小屋~太郎平小屋 [北アルプス(長野・富山)]
■降りしきる雨のなか、ずぶ濡れの山行
《行程》水晶小屋~太郎平小屋
05:00 水晶小屋出発
07:00 祖父岳登頂
08:40 雲ノ平キャンプ地で水補充
09:30 雲ノ平山荘で昼食
14:30 薬師沢小屋通過
17:40 太郎平小屋到着
18:20 テント指定地の薬師峠到着
この日も雨。濡れた靴に足を通す気持ち悪さよ。
祖父岳から雲ノ平まで行くが、霧と雨により見通し悪く、景観ものぞめないが、祖父岳ピーク手前の岩苔乗越で再び雷鳥に出会ったのだけが救いか。
池塘が点在する靄のなか、10m先の木道がかすむ雲ノ平は、幻想的といえば幻想的ではあった。
幻のように現れた小屋。都会のカフェかと見まがう食堂でランチ。トマトナポリタンが美味、酸味が活力を与えてくれた。連れは酸味のある鶏肉をご飯に乗せたアジアン風どんぶり。
雲の平でテントを張り晴れるのを待つか。
太郎平小屋まで行き、明日富山側へ下山するか。この日の朝の情報では明日・明後日も雨予報。今回は諦めて下山へ。しかし後ほどこれが運命の分かれ道となる。
そしてまた、この行程がまた遠かった。
アラスカ庭園など風光明媚な名所を通り過ぎ、木道が終了すると、薬師沢小屋までの鬱蒼とした木々が左右から迫り来る、ごつごつした岩場の大下り。岩や木の根に滑るわ、そこかしこに水溜まりがあるわ、登山道が滝のようで5時間もかかった。それにしてもこの急登、下りがコースタイム30分なんて大嘘!登りですれ違う方々もうんざりした様子。
薬師沢小屋のある川の出合は増水のため、増水用の梯子を登る。物凄い量の水がどうどうと流れる上に渡された吊り橋は、中央に板が渡してあるだけなので緊張感。
お手洗いを借り水を補充し、太郎平小屋へと急ぐ。ところどころ木道が現れ、休憩に適したベンチが現れ、晴れていたらさぞ気持ちよさそうだ。しかし木道は一部水没していたり腐っていたり、飛び出した草や葦に足を滑らせることが多く、雨の日は危険だ。
太郎平小屋につくと18:00近く。小屋からキャンプ指定地の薬師峠までがまた30分近くあり、遠い。寒さで疲れていたため、小屋の前の広い敷地が口惜しく、テント場にしてほしいくらいだった。
テン場はどこもかしこも水溜まりになっていて、少しでも水はけがよさそうなところを探す。あまりに疲れていたからか過去最高の早さでテントを張った。
《太郎平小屋 情報》
・パンやスナックの量が豊富
・バイトが若くやる気がない
・小屋のトイレは離れにあり、コンクリートと木材で造られた立派な公衆便所
・テント場のトイレは未使用なので不明
2019年8月▲北アルプス裏銀座テント泊縦走②烏帽子小屋~水晶小屋 [北アルプス(長野・富山)]
【行程】野口五郎岳~水晶小屋
05:00 烏帽子出発
05:48 三ツ岳通過
07:24 野口五郎小屋で休憩
08:20 野口五郎岳登頂
09:00 真砂岳通過
12:00 水晶小屋へ到着。昼食を食べ、素泊まり
この日は雲の平まで行くつもりだったので、烏帽子のピーク諦め出発。途中ご来光と雲海を見て心洗われ、何度も足を止める。雲海がでると天候が保つといわれるが、野口五郎小屋前までくると悪天候に。
靴を脱ぐのが面倒だったので外のベンチでパンを食べながら小休憩。
烏帽子から野口までは、池塘とその先の雲海を眺めながらの岩の稜線が続き、そこを抜けた三ツ岳は穏やかな丘が連なるような場所。小ピークを抜けると白砂混じりの地面に可憐な高山植物が咲くお花畑。
そこからは雨と強風の地獄のロード(笑)。
ガレた足場の悪い斜面の登り返しや、強風吹き荒れるコルや幅1m弱の尾根、岩場の稜線にたたきつける風、風、雨。
北鎌尾根よりは危険箇所はないが、悪天候なので視界が悪いのと強風によりたたきつけられた雨で全身ずぶ濡れによる疲労と寒さで体力が奪われる。ゴアテックスが効かないほどの雨は初めて。雷鳥と遭遇して多少心が救われた。
正午には水晶に着いたので雲の平には十分日暮れまでに着けたであろうが、昼食のおでんを頂いたら気持ちも萎えて、このまま素泊まりすることに。午後3時頃、短時間晴れ間が見え稜線が露わになりました。槍ヶ岳が見えて興奮。
《小屋情報》
・女性スタッフの愛想がいい
・お手洗いは部屋自体や便座は清潔だが、トイレの方式のせいか臭いがきつい。食事スペースとの仕切り扉は、食事中の方がいるときは極力開けないように気をつけた方がいい
・一階の寝室スペースとの仕切りの天井が狭く、梁に頭をぶつけないように注意
・乾燥室の設備が悪く、靴やザック置き場まで熱風が届かない
・玄関から続く自炊スペースからは外を眺められる
・乾燥室を使いたい場合は、一人3つまでハンガーを借りられる
働く人と接客と小屋の雰囲気が素晴らしく、おおむね清潔で不快になることなく泊まれる小屋。
しかし、乾燥室の暖房器具が古い型のようで、近づくと火傷するぐらい熱風が出るのだが熱風をすみずみまで送り届けるものではなく、「そこで燃えている」という感じ。部屋の左側と奥に靴棚があり、右手にはザック置き場。中央には紐がわたっており衣類をかけられるのだが、肝心の靴とザックに熱風が当たらない。除湿器と省エネ電気ストーブを推奨したい。
ご来光がきれいでした・・・
足場の悪い岩場を抜けると、お花畑が広がっていました
三ツ岳だったような・・・
ウサギギクかな?
強風のため、常に大量の石で屋根に重しをしている野口五郎小屋
小屋から遠かったピーク。何も見えません
野口から水晶までの裏銀座ルート
行く手に雷鳥(1時の方向)がお出迎え
強風と大雨のなか、偶然シャッターを押した一枚
水晶小屋についた後、一時光がさした瞬間
2019年8月▲北アルプス裏銀座テント泊縦走①七倉~烏帽子小屋 [北アルプス(長野・富山)]
■悪天候に泣いた裏銀座、黒部五郎岳から回復調子
【全体の山行】
裏銀座から雲の平~太郎平小屋~黒部五郎岳~三俣蓮華岳~鷲羽山~双六岳~新穂高温泉
【行程】毎日あるぺん号で七倉山荘~高瀬ダム~ブナ立尾根~烏帽子小屋テント場まで
3:45 七倉山荘着
5:00 タクシーで出発
5:42 高瀬ダムで準備、出発
11:00 烏帽子小屋でテント
初めてのあるぺん号。出発5時間前に慌てて電話し予約した。登山客ばかりではなく、普段着の観光客も多い。
七倉山荘についたときは真っ暗。バスがいなくなる前に慌ててヘッドランプを出す。バスの冷房装置の結露か、はたまた他の客の水筒がもれていたのか、リュックの片側がじっとりと濡れていて、最初から気落ちする。
高瀬ダムまで徒歩で行くか迷うも、ヤマップ→1時間、山と高原地図→2時間とタイムコースに開きがあり、急登に足を残すため乗り合いタクシーを待つことに。
バス停のような標識の前にタクシー待機列用の小さなベンチがあり、タクシー会社の電話番号など記載されている。電話がつながるのは5時からなので1時間半待つことになったが、乗り合い待ちの人々と歓談し時が経つのを忘れられた。
タクシーは電話しなくても5時に来てくれた。数台続いて来てくれて、一組ずつ乗せた方がお金になるはずなのに率先して定員人数を乗せてくれた。しかも割りきれないからと500円分まけてくれました。親切。
5時になると高瀬ダムへ続く道路のゲートが開き、車での通行が可能になる。高瀬ダムは3人の設計者による天然の岩を積み上げたロックフィルダムという形式のダムで、日本で二番目に高い。タクシー運転手によると、この造設に延べ60万人以上が関わったという。
http://www.kanko-omachi.gr.jp/takase_gorge/
エメラルドグリーンの湖水は非常に美しかった。ロックフィルダムの形容は堅牢な野面積みの城塞といった赴き。このダムの見学ツアーもあるのだとか。
さて、アルプス三大急登であり、日本三大急登である「ブナ立尾根」。鈍足な私がいうのもなんですが、さほど急登かな?という印象。ちょっと細めの幅ですが、特に危険な場所も亡く歩きやすい登山道です。
まあ急勾配ではあるのでしょうが、登ったときのきつさでいえば、真教寺尾根や、金峰山への「千代ノ吹上」から「五条岩」までルートの方が、筋肉も使うし危険な箇所もあるし、よっぽどきつかった。ただ、汗をかきすぎて途中少しばてたことは確か。自分のペースを守れば問題なし。
《烏帽子小屋情報》
・自炊スペースと外来飲食スペースは同じ場所
・トイレは離れにあり。きれいでもひどくもない
・小屋の前にイワギキョウの群生
・テント場は小屋から100m以上下りやや遠い。ヘッドランプ必要。平たく整地されていて張りやすい。ただ面積が狭いため、段々畑のように下まで続く。特に池塘に近い場所はビバークと呼びたいぐらい孤立している
烏帽子小屋につき、カレーを頂いた後は悪天候と強風で烏帽子のピーク踏めず。
カレーはなんとこの日最後のひとさら。あとからラーメンを注文した方に、「ぼくもカレー食べたかった」と言われしばし談笑。山岳本の話や、雨のテント悲喜こもごもの話をしながら雨があがるのを待つ。それでも諦め、雨の中のテント設営。
晴れるのを待ちましたが、結局ピークを踏みに行くタイミングが掴めず夜になりました。
初のあるぺん号
右側がダムの斜面
美しいエメラルドグリーン
ダムは常に砂が溜まるのでブルドーザーではけられていた
ハクサンオミナエシかな?
タヌキ岩
登山道から見える烏帽子小屋
テント場の一つです
夜もカレー(笑)
2018年8月23日▲北ア表銀座縦走⑤/横尾~明神池 [北アルプス(長野・富山)]
2018年8月22日▲北ア表銀座縦走④/槍ヶ岳アタック~横尾 [北アルプス(長野・富山)]
【四日目行程】槍ヶ岳山頂アタック→横尾へ下山
07:00 テント出発
07:50 槍ヶ岳山荘到着
08:12 槍ヶ岳登頂
10:15 槍ヶ岳山荘出発
11:00 殺生ヒュッテ到着
14:00 殺生ヒュッテ出発
16:40 ババ平
17:15 槍沢ロッヂ
18:30 横尾到着
《飯》
朝…マカロニポタージュ
昼…マカロニポタージュ残りと、ラーメンと鶏肉レトルトパウチ
行動食…魚肉ソーセージ、カロリーメイト、ドライフルーツ
・水…わき水をひいた、蛇口のある洗面台がある
・トイレ…二つあり、向かって左手は非常にキレイ、まるで水洗便所のようなぼっとん。右手も山頂付近の小屋よりきれいですが、臭う
・昼食メニュー…未確認。おそらくカレーはあると思われる
2018年8月21日▲北ア表銀座縦走③/ヒュッテ西岳~殺生ヒュッテ [北アルプス(長野・富山)]
2018年8月20日▲北ア表銀座縦走②/燕山荘~ヒュッテ西岳 [北アルプス(長野・富山)]
【二日目行程】
08:30 出発
12:30 大天荘到着
13:30 昼食後出発
14:30 大天井ヒュッテ到着
16:53 ヒュッテ西岳到着
《飯》
朝…夜の食べ残しのトマトソースツナパスタ&ゆで汁にトマトピューレを入れてトマトスープに
昼…醤油カップヌードル(リフィル)と魚肉ソーセージ
夜…どん兵衛(リフィル)
行動食…カロリーメート、ドライフルーツ、アミノバイタル
《大天荘》
・トイレ…清潔、洋式有り
・昼食メニュー…食べてないが、ナン付きのこだわりのカレーがあり、とても美味しそう
・水…雨水。蛇口付タンクとお金入れが外にあり、セルフでいれる
《ヒュッテ西岳》
・トイレ…見た目よりは意外と消臭されていて清潔、洋式有り。嫌悪感を催さない。外に雨水の洗面台あり
・昼食メニュー…未確認。生野菜のトマト有り(300円)
・水…雨水、1リットル200円
2018年8月19日▲北ア表銀座縦走①/中房温泉~燕山荘 [北アルプス(長野・富山)]
【学んだこと】
【失敗したこと】
《飯》